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Lab

 laboratoryのことではない。
 先日,フォトショップの「フィルター」のことをマニュアルで見ていたら,Labに関する記述が頻繁に出てきたので,Labについて調べてみた。
 Labは,CMYKやRGBと同じようにカラーモデルの一つだが,これまでまともに使ったことがなかった。印刷に関連する場合はCMYKを,ネットなどのディスプレイ上の画像の場合はRGBと使い分ける必要があるが,この2つのカラーモデルで十分事足りていた。フィルターワークもCMYKやRGBの各チャンネルを操作して思い通りのことができていると信じ切っていた。
 Labは正式には「Lab色空間」と呼び,人の視覚に合わせるように設計されている。「色空間」というネーミングが素晴らしいだけでなく,CMYKやRGBが印刷インクやディスプレイといった出力関連の都合を優先させているのに対して,人の感覚に沿った仕組みになっている点が気に入った。
 2つの色の心理的な距離を数値で表すことができるのが特徴で,色合いが異なっていても距離が等しい場合は同じような差を感じることができる。例えば,淡い赤と濃い赤があって,その感覚的な見え方の差が,別の淡い青と濃い青とを見たときの差と同じように感じるとき,どちらの色の距離も同じにするという考えで作られたシステムのようだ。
 そういえば,上下2巻の本の背の色を決めるとき,上巻は赤で下巻は青でいったん調子を揃えたが,両方とももう少し色を落とそうとすると意外と難しい。赤の本はマゼンタを10%落としたとしても,青のほうはシアンを単純に10%落とせば済むわけではない。これまでのやり方では,試行錯誤を結構繰り返して両方の調子を整えることになる。Lab色空間では色の隔たりを数値化できるので,この調整が簡単にできるのだ。
 フォトショップやイラストレーターはずいぶん前からよく使ってきたコンピューターソフトで,基本的なことはだいたい理解しているつもりだったが,とんでもない。今更ながら,奥が深いのに驚いている。

| 「亜空間」の現象の周辺の…… | 2012.09.15(Sat)11:32 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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