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迷路との関わり(9)

 それから30年ほど経って,先日その立体迷路などを並べた展示会を開くことになった。当時のプログラムがどこへ行ったのかまったく分からず,たとえそれが出てきたとしても対応するパソコンやプリンターはとっくに処分してしまっている。それで,これを機に迷路のプログラミングを一からし直すことにした。
 その頃と現在とを比べると,いろいろなものが進歩しているが,中でもコンピュータ関連のものはすさまじい。K単位だったメモリーはMを超えてGbyteで,演算速度や記憶容量なども大きく桁違いの世界になっている。その恩恵で,遅すぎて使い物にならなかったBasicも,今のパソコンでは結構な速さで計算してくれるようになっている。そこで,今回は使い勝手の良いBasicで立体迷路を作成することにした。プリンターの性能も飛躍的に良くなっていて,昔の隙間の目立つドットに対して,目の詰まったきれいな線がしかもフルカラーで引けるので,悩むところがほとんどない。そして,新しい立体迷路は仕上がった。
 迷路の展示会は,盛況とはいえないまでも,多くの人たちに来ていただいた。大きなパネルの作品に迫力を感じた人も何人かいたようで,永年の思いがこれで達成された感じが多分にあった。
 コンピューターに迷路を描かせたいという思いで始まった迷路作りだったが,出来上がった立体迷路の正解部分の通路の形が,それから十数年後に出版する書籍『亜空間』の基本概念の一つと密接に繋がっていたのをこのブログで当時を振り返ることで再認識した。感慨深いものがある。

 『迷路との関わり』は,今回をもって終わることにします。このような特殊なテーマの個人史を読んでくださった皆様,ありがとうございました。いつの日か,時間が許せば,『亜空間との関わり』を書こうと思っていますが,どうなることですやら。(完)

| このブログに関して | 2012.07.07(Sat)19:38 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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