ポスター

開店前なので,照明が消されていて室内は暗闇状態だ。すると,白地のポスターに表されている真っ黒な「N」の文字は,黒インクで印刷されているのではなく,紙がその形にくり抜かれていて,透明なガラスを通して室内の暗がりを見せているのかもしれない。
こういった場合,その前を歩いて通過すると,見る視線の角度が刻々変わり,映り込みや背景などの微妙な変化から普通は事実がすぐにわかってしまう。だが,このポスターの「N」はそう簡単には正体を現さない。
ガラスに近づき覗き込むようにして,やっと黒色の文字が印刷されていることが分かった。
正体がばれても,どちらとでも取れるこの「N」の見え方を,前を通るたびに今も楽しんでいる。
| 「亜空間」の現象 | 2012.06.18(Mon)10:56 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 | ▲