亜夢29

この寿司屋の寿司が流れるレーンはカウンターの前にあるが,端から端までが長いので客が少ないときはV字型のブロックで寿司の皿が回る範囲を狭めることができるようになっている。
この狭める装置を見たのが原因かもしれない。
嫁さんと二人で寿司を食べていたが,気が付くといつの間にか他の客は帰ってしまっていて誰もいない。左右は見渡す限り空の椅子だけが並んでいる。もうこんなに時間が経ったのかと思って,カウンターの向こうを見ると板前や店員の姿も全くない。隣にいた嫁さんも先に出て行ってしまったようだ。立ち上がって入口のほうに歩き始めると,店内の照明が徐々に暗くなり,長かった店がぼくのほうに向かって狭まってきている。店は真っ暗で箱のように狭くなり,空気が少なくなったのか呼吸が上手くできない。外と連絡をとろうとして腰の携帯を探るが手が思うように動かず,叫び声を出して,隣で寝ている嫁さんに起こしてもらった。
| 「亜空間」の現象の周辺 | 2012.04.16(Mon)12:46 | Comments2 | Trackbacks0 | 編集 | ▲
2012.04.30(Mon) 13:48 | URL | 誠司|編集