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迷路との関わり(1)

「迷路」の展示会を開催するこの機会に,これまでの迷路との関わりをまとめることにした。
 小学校入学以前のことはしっかり覚えている自信はあまりないが,迷路との関係がうっすらとでもありそうなものとなると次のことが思い出される。家の玄関を入ると,小さな三和土の庭に続いて2畳の和室があり,その間は障子で仕切られていた。この障子の下4分の1ほどは板張りで,そこに格子状の1辺が7㎝くらいの正方形の桟が組んであった。格子は縦に5段,横に10列くらいあって,そのくぼみに表に50音,裏にその文字で始まる絵が描いてあるこれも正方形の積み木をはめ込んで並べる遊びをよくしていた。
 小学校時代は,ノートの余白にフリーハンドや定規で迷路を描いたことはあったが,迷路に特別興味があったというわけではない。だが,その頃の遊びなどで迷路と関連がありそうなものを探すと,次のものを挙げることができる。小学生になってすぐに麻疹にかかり,それをこじらせたのか,2か月間くらい学校を休むことになる。6畳の部屋の真ん中に敷いた布団に寝かされ,毎日天井を見て過ごした。視線で天井の張り板のマス目を斜めに辿り,壁に当たるとビリヤードの球のように反射させ,隅で止まるまでこれを繰り返す遊びをして退屈を紛らわせていた。また,当時は家のそばを流れているどぶ川の河岸工事が何年にもわたって行われていて,コンクリートを流し込むとき囲いに使う板が何百枚も山積みされていた。その板を勝手に組み立てて隠れ家を造くる遊びをよくしたが,結構凝った構造のものを造っていたように思う。こういうこともあった。住まいは町中だったが家の前を自動車が通ることは希で,路上で自由に遊ぶことができた。道路にヤカンを使って水で線を引き,その線で囲まれた内側と外側で鬼ごっこをするのだが,模様に2重構造の渦巻きを描いて一緒に遊ぶ子供を戸惑わせたことがあった。
 放課後はいつも近所の子供達と夕暮れになるまで遊びほうけた。どんな遊びも楽しかったが,パズル系の遊びは特に好きで,少年誌の付録や,駄菓子屋や夜店で買ったパズルに夢中だった。タングラムに似たラッキーパズルという7枚のプラスチックの板を並べるゲームがあるが,最もよく遊んだのはこのパズルだ。提示されたの影絵と同じ形を作るパズルで,影絵の問題が百ほど載ったテキストを何冊も買って解いていた。15ゲームや,箱入り娘といったピースを移動させるパズルも随分楽しんだ。こういった遊びから考えると,図形的なもの構造的なものを好んでいたのだろうと思う。あえて言えば,これが迷路作りの素地になったのかもしれない。(続く)

| 「亜空間」の現象の周辺 | 2012.04.12(Thu)12:23 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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