亜の扉

　シーズンの締めくくりのゲームはスーパーボウルでなければといけないというのが理由で，プロボウルはその前週に行われるようだ。そのため，スーパーボウルの出場者は怪我を避けて辞退することになってしまい，オールスターとしてのこのお祭りは盛り上がりに欠ける。
　今年のゲームも，ブリッツ禁止などのオフェンス有利なルールのおかげで，大量得点が入って終了した。
　ゲーム序盤はお祭り気分で，互いに怪我をさせない配慮から，ライン上のぶつかりに迫力が無く，タックルも相手選手を抱きかかえるようなプレーで，観客席からブーイングが漏れたほどだ。だが，得点が入り仕合がせってくると，選手の本能に火が付いたのか，シーズンと変わらない迫力あるシーンも展開されて，終わってみるとそこそこ面白いゲームになっていた。
　クオーターバックがプレッシャーをほとんど受けないので，ロングパスが面白いように決まった。澄んだ青空を背景にして，鮮やかな弧を空間に描いてボールが飛ぶ様子はやはりこのスポーツの華だと再確認できたのが最大の収穫かもしれない。