カート

店で,カートにかごを載せようとしたとき,カートの底のすぐ上あたりに黒くて細い直線が縦横に浮いた状態で走っているのが見えた。スパイものの映画でよく使われる侵入者を感知するレーザー光線のような感じで,方眼上に敷き詰められている。このまま歩くと膝でレーザー光線を切ってしまい,すぐにも警報音が鳴り響いて組織の連中に取り囲まれそうだ。
だが,残念ながら,この現象は数秒で消えてしまった。カートの底から透けて見えるのは,リノリウムか何かのベージュの床材とその繋ぎ目部分の黒い線だけだ。そう,カートの針金が作る網目が立体視の重なり部分になり,その結果目地の黒い線が宙に浮かんだ状態で見えたのだった。
面白い現象だったが,一度消えると二度と現れなかった。
| 「亜空間」の現象 | 2012.01.10(Tue)12:59 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 | ▲