敷石

春日大社は奈良公園の比較的奥に位置していて,一の鳥居をくぐってそこからまっすぐ1.5キロメートルほどのところにある。参道のほとんどは小ぶりの砂利を敷いた道だが,本殿近くの二の鳥居から先は平らな長方形の敷石が並べられている。
その敷石を歩いていてつまずいてしまった。足を大きく踏み出してこけるのは辛うじて避けられたが,立ち直るとほとんど反射的に振り返って何にけつまずいたのかを確かめようとした。敷石は表面が磨かれていて平らで,石と石のつなぎの部分も段差が見あたらず,つまずく要素はどこにもない。
しばらく行くと,写真のように敷石の表面が荒々しい場所に出た。だが,この道では,足元に特に気を配ったわけではないが,つまずくこともなく,無事にお詣りを済ませて帰路に就いた。
山道を下るようなときは別だが,この程度の凹凸の道で特に足元を意識しなくてもつまずかないのは,「自分」の何かが歩みの一歩一歩を制御しているからだろうと思う。一方,平らに見えた敷石は,どこかにごくわずかの段差などがあってそれにつまずいたのだろうが,このとき「自分」は足元に変化は起こらないとして,省エネモードに入っていたのではないだろうか。
| 「亜空間」の現象の周辺 | 2012.01.05(Thu)17:32 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 | ▲