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タイ旅行

 タイへは今回の旅行で9回目になる。
 いつもは子供達が住んでいる関係でだいたいバンコクとプーケットに滞在するが,今回は観光目的でチェンマイも訪れた。チェンマイをコースに組み入れたのは,タイ北部の風土に触れたいこともあったが,何と言っても象が絵を描くところを実際に見てみたかったからだ。象がイーゼルに掛けられたキャンバスに向かって絵を描くシーンはテレビなどでも取り上げられていたので,何度か目にしていたが,どこかうさんくささを感じていた。
 象のショーはエレファント・キャンプというところで行われ,水浴び,サッカー,ダンス,観客との触れ合い,お絵かきと内容が豊富で,そのどれをとっても頭の良さがわかる芸を披露してくれた。例えばサッカーでは,ボールをむやみに蹴るのではなくゴールに向かって強さも方向もコントロールしているように見える。客の頭に載せた帽子を鼻先で取ったり被せたりするショーでも人を傷つけない程度の力加減のやさしい仕草が見て取れる。
 こういった行為は,他の動物のショーと同じように,象がもつ習性を巧みにショー化していると捉えられないこともない。だが,絵を描くという行為はまったく次元が異なっているのではないかと思う。
 
 特定の象だけの突然変異的な行為かと思っていたが,このエレファント・キャンプではこの日は5頭の象が同時に絵を描いていた。
 上の写真はぼくのいた場所から見えたもので,花の絵そのものは,人間だと小学校の低学年程度の出来に見える。しかし,キャンバスの広さを意識した構図となると,小学校中学年以上の構成力があるように思う。細かい描写は出来ていないが,空間の把握とその表現にはかなり進んだ能力があることが見て取れる。
 象が描いた絵は出口のショップで売られていた。この日は見られなかったが,象自身のシルエットを描いた絵「象の絵」もあった。これを見ると,数万年前に人類が洞窟に描いた絵より優れているのではないかと思える。
 
 このショーでは,感動と不思議さを味わったが,同時に空間の認識や芸術など考えさせられることが多くあった。

| 「亜空間」の現象の周辺の周辺 | 2011.12.29(Thu)17:06 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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秋岡久太(くだ)

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