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爪楊枝

 辞書を調べて改めて「爪楊枝」と書くのを知った。何となく分かっていたが,「孫の手」の類で「妻用事」のようにイメージしていたところがあった。
 それはさておき,最近よくのれんをくぐる居酒屋のカウンターでのことで,調味料が置いてある辺りの空間が何か変だ。特に爪楊枝入れの周辺が歪んでいるように見える。面白い現象に出会っていることが分かったので,そこから目を逸らさず眺め続けた。瞬きをしてもこの現象は消えず,空間の歪みをしばらく楽しむことができた。
 この原因は単純で,頭の高さが揃っている爪楊枝の中で,一本だけこちらに向かって半分くらい飛び出していたからだ。それを偶然真正面から見てしまった結果,他の爪楊枝と頭の位置が揃っていると思い込み,飛び出ている分だけ焦点の位置がずれているのに気付かなかったというわけだ。
 正体が分かってしまうと,もう一度同じ方向から爪楊枝を見ても現象は再現されない。脳がいったん意味をとらえてしまうと,その情報が不十分でも像は形を決定してしまい,意識して見ようと頑張っても,もう曖昧な状態の姿をとらえることは出来ない。
 こういった現象をとらえるには,残念だが,現象と出会った瞬間を逃さず見つめることしかないようだ。

| 「亜空間」の現象 | 2012.08.25(Sat)15:05 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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秋岡久太(くだ)

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