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迷路との関わり(8)

 当時は,エプソンのMP-80というドットインパクト方式のプリンターを使用していた。縦一列に並んだワイヤの先でインクリボンを叩くスタイルのもので,プリンターヘッドの移動に伴ってジージー,ガーガーと神経に障る音を出す。特にドット密度の濃い図形を打ち出すときなんかはギャーというとんでもない叫び声を上げる代物だった。大きなものを打ち出すときは,打ち出しに時間が掛かるので,寝る直前までプログラミングをしてプリントアウトは寝ている間にさせていたが,騒音を少しでも減らすためにプリンターに布団を被せたりした。用紙は幅10インチ,1ページの縦が11インチのファンフォールド紙(扇のようにたたまれた連続用紙)で,いくらでも長いものを打ち出すことができた。だが,その長さが災いし,掛けた布団の下で用紙がくしゃくしゃになって吐き出されているのを朝一番に見ることが何度もあった。
 このMP-80には,印字の縦横比が1対1.1の文字出力が主な狙いのタイプⅠと,縦横比が1対1の正円が描けるタイプⅡとがあった。図形を描かせるのにはタイプⅡのほうが向いているのだが,プリンターを買う時点では立体迷路のことはまったく頭になく,文字タイプのほうが安かったということもあって,そちらを購入してしまった。『迷路との関わり(7)』で,立体迷路の斜めの線の重なりが解消できていないと書いたが,この問題を衝動で買ってしまったプリンターが解決してくれることになる。
 プリンターは紙に小さなドットを打ってその連なりで様々な形を表す。中でも,プリンターヘッドの移動は水平方向で紙の送りは垂直方向なので,水平線や垂直線はきれいなものが引ける。ところが,それ以外の斜めの線となるとジャギーの目立つ醜い線にしかならない。そんな斜めの中でも45度の線はまだ許せる範囲のジャギーなので,これと垂直線,水平線の組み合わせで立体迷路を表現するしかなかった。
 この立体迷路を作成しようとしたときから,迷路全体の形はもちろんのこと,迷路を建物にたとえたとき各部屋に相当する部分と,柱と梁が合流する格子点の形は立方体にすることに決めていた。すると,この縦横比が1対1.1のプリンターで正方形を描かせようとすると,縦長の長方形の情報をプリンターに送らなければいけない。一方,45度の斜めの線はそのままをプリンターに送るしかないので,45度より少し傾斜のゆるいものが打ち出される。つまり,紙に打ち出された段階で,正方形に対して45度の線は対角線にならないことになる。
 立体迷路の斜めの線の問題は,45度の斜線が正方形の対角線を通るために前後の斜線が重なることだったのだが,このプリンターの特有の機能という全く偶然の制約で難問は物の見事に解決できてしまった。
 このような紆余曲折の後,迷路を縦6つに切断し,それぞれを1メーターくらいの長さに打ち出したプリンター用紙を横に貼り合わせるという作業を経て,ようやく縦横8部屋で8階建ての迷路を完成することができた。(続く)
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| 「亜空間」の現象の周辺 | 2012.06.22(Fri)19:35 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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