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迷路との関わり(3)

cube maze 卒業してサラリーマンになるが,東京へ頻繁に出かける仕事で,行くたびにアートグッズや輸入雑貨などの販売店でパズル関連の目新しいものを買いあさった。
 ジグソーパズルが流行り始めた頃で,遊びと芸術が一体化した商品や出版物が目に付きだした頃でもある。この遊びと芸術の一体化は次第に一般に認識され,ルービックキューブの出現で社会現象にまでなる。遊びの博物館といった展覧会が開催されたのもこの頃で,こういった世界のいちばん華やかな時期だったかもしれない。
 やはりその頃,科学系の雑誌の表紙でエッシャーの絵を初めて目にしたが,これまで見てきたものとはまったく異なる表現に衝撃を受けた。それからはエッシャー関連のものは画集だけでなく,ジグソーパズルやペーパークラフトなど色々集めた。重力を無視したかのように階段の表裏を人が自由に歩いたり,いくつかの多面体が複雑な形に組み合わされたりするなどの表現に特に興味を持った。こういったものが立体迷路を作成するとき潜在的に影響したように思う。
 巨大迷路のブームもあった。広大な空き地に板壁を並べて作られた迷路が各地で開設された。初めは珍しさも手伝って楽しめたが,何カ所か遊びに行くと代わり映えしないのがわかり短期間で飽きてしまった。ブームもそれほど続かなかったようだ。
 遊びと芸術の一体化の関連で多種多様な迷路の出版物や玩具が発売された。1冊の本の最初から最後のページまで通路が繋がったもの,本にパンチの穴が開いていて,道がそこを通って裏のページと繋がっているもの,新聞の見開きくらいの大きさのものなど色々な形式のものがあった。玩具では,円柱の表面に掘られた通路に沿って小さな球を移動させるもの,透明な立方体の内部で球を移動させるもの,球の代わりに水滴や水銀を使ったものなど,これも様様なアイデアのものがあった。(続く)

| 「亜空間」の現象の周辺 | 2012.04.27(Fri)13:05 | Comments0 | Trackbacks0 | 編集 |

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秋岡久太(くだ)

Author:秋岡久太(くだ)
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